「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏先生の「毒親」をテーマにした作品『血の轍』第1巻をご紹介します!
注意注意 これから先はネタバレになりますのでご注意ください
血の轍 第1巻のストーリーとネタバレ
第1話 血の轍
静一は夢を見ていました。
3歳の静一が母・静子と手を繋いで歩いていると、
「あ。みてごらん。ねこさん。ねてるよ。」
静子が指をさした先には白い猫が横たわっていました。
二人は猫に近寄り、静一が猫を撫でると、その猫はすでに冷たくなっていました。
どうして死んじゃってるのかと静一は静子に尋ねますが、静子は笑顔を見せるだけでした。
そんな夢から目覚め、ベッドから起きずにいると、
静一を起こしに静子が部屋へ入って来きて、静一の耳元をこちょこちょとくすぐります。
「朝ごはん、肉まんとあんまんどっちがいいん?」と静子。
静一の朝ごはんはいつも肉まんかあんまん。テーブルに置かれた肉まんとコップ1杯の水を飲み学校へ行きます。
静一は学校ではごく普通の中学生。
好きな子がいたり、友人とふざけあったり。
学校の帰りに静一は明日の土曜日に友人とラーメンを食べに行く約束をします。
しかし家に帰ると、静子から明日、父の姉とその息子のしげるが遊びにくると聞かされます。
友達と約束してない?と聞かれた静一は一つ返事で断るから大丈夫と言います。
その日の夕食時、静一は今朝の夢を静子に話します。
すると静子は「静ちゃん、覚えてるん?」と感動し、静一の顔に両手を当てながら、抱きしめさせてと言います。
年頃の静一は恥ずかしくてその手を払いのけるのでした。
第2話 来訪者
今日は義姉とその息子しげるが遊びに来る日。
静子が掃除機をかけているとチャイムが鳴ります。
義姉としげるでした。
静一としげるはすぐに2階に上がりテレビデームを始めます。
テレビデームで盛り上がって遊んでいると、突然しげるが
「静ちゃんちってさ、カホゴだいね」と言い出します。
ポカンとした顔で「カホゴって…何?」と静一。
しげるは静子が静一に無駄にベタベタすると言い、さらに、静一が幼稚園の頃、毎日教室の後ろに立っていたことを指摘します。
毎日くるのはおかしいと笑って言うしげるに、
「お母さんのこと、変なふうに言わないでよ。」と真剣な顔つきで言います。
みんなでお昼ご飯を食べている時、しげるが静一に明日も遊ぼうと言ってきます。
その言葉をきっかけに、すでに今月は毎週遊びにきている義姉としげるは、その後も毎週土日遊びにくることになってしまいます。
さらには今年の夏休みにみんなで旅行に行くことにもなります。
それでも静子は嫌がることなく笑顔で対応し続けます。
義姉としげるを見送ったあと、静一は静子に何かを言いかけますが、
「ママ、いつも、ありがとう」とだけ言います。
その言葉を聞いた静子は静一の頬にキスをするのでした。
第3話 夏の入り口
夏休み前の修業式の帰り道、仲のいい友人達と集まってゲームしようという話になりますが、静一はいとこが来るからと断ります。
友人にお前んちいとこ来すぎと言われてしまいます。
友人達と別れたあと、後ろから女子二人に声をかけられる静一。
そのうちの一人は、静一が好意を抱いていた吹石でした。
吹石が静一と一緒に帰りたいと言うので二人で帰ることに。
そして吹石は静一のうちに遊びに行っていいかと聞きますが、
静一はいことがよく遊びにくるから、お母さんに聞いてみないとわかんないと答えます。
家に帰り、静一の通知表をみて、静子は
「ぜーんぶ5」
「体育だけ3」
「すごいんね。静ちゃんはいつも。」
と言っていつものように頭や頬を撫でます。
静一は、しげる達が来ない日に友達をうちに呼んでもいいかと静子に聞きますが、
来週のしげるたちとの旅行が終わって落ち着いてからならと静子は答えます。
静一がほっとした様子で2階に上がろうとすると静子が
「何かすごく嬉しそうね?どうしたん?」と聞いてきます。
静一の「いや…べつに?」とそそくさと2階へ上がっていく様子をみて何かを感じる静子なのでした。
第4話 行楽日和
旅行当日。
集合場所の登山口へ向かうと、祖父母と、しげるの家族がすでに到着していました。
一行は山を登り始め、3分の1ほど登ったところで休憩することに。そこは景色の良い崖がありました。
しげるがその崖に立ち、静一を呼びます。
静一は恐る恐る崖に立ちますが、しげるはさらに崖先まで誘います。
すると後ろから静子が気をつけてと静一の服を引っ張りますが、
その姿をみた義姉が「静子さん!だーいじょうぶよ!」と声をかけます。
その瞬間しげるがふざけて静一を突き落とすふりをし、静一はひゃ!驚き青ざめますが、
そんな静一を静一よりも青ざめた顔で抱きとめます。
それを見ていた義姉は
「何してるん静子さん!?本当過保護ねぇ!!」
と大笑いし、周りのみんなも一緒になって笑うのでした。
第5話 きれいな場所
一行は弁当を広げ昼休憩中でした。
しげるが静一にトイレに誘います。
しぶしぶ誘いにのる静一。
用をたし、そのまま探検しようと言うしげるに一度は断りますが、結局しげるのあとについて山奥へと進んで行きます。
進んだ先にはまたしても崖がありました。
しげるはその崖先に立ち、静一を呼びよせますが、静一は休憩時のことがあったので嫌がります。
その態度にしげるは怒り静一を責め始めます。
そこにタイミングよく静子が現れ、
「静ちゃん、何してるの?」と声をかけます。
そしてしげるにそんなところに立っていたら危ないと注意しますが、
しげるは挑発するように崖の先でふざけますが、しげるはバランスを崩し崖から落ちそうになりますが、
間一髪で静子がしげるを抱きとめます。
しげるは反抗的な態度をとりますが、静子の表情をみて固まります。
静一からは静子の表情はわかりませんでした。
第6話 微笑
しげるを抱きしめたままの静子。静子の顔をみて怯えた様子のしげる。
次の瞬間、静子は抱きしめていた手を離し、しげるを突き飛ばしました。
崖の下でしげるの声と同時にガッという音。
静子が振り返りその表情をみた静一は思わず目をそらしてしまいます。
振り向いた瞬間の静子は、あの死んだ猫を見た時と同じように微笑んでいたのです。
しかし次の瞬間、静子は「きゃぁぁぁぁぁ!」と叫び、みんなを呼んできてと慌てふためきます。
静子の悲鳴を聞いて駆けつけた義姉達と遭遇した静一はしげるが崖から落ちたことを伝えます。
急いでしげるの落ちた崖に向かう一行は、その場で座り込む静子を見つけ、事情を聞きます。
「ごめんなさい間に合わなかったんです!よろけて落ちちゃったんですしげちゃん!」
義姉に何度も謝る静子。
皆は急いで救急車の手配をし、しげるのもとへ急ぐ中、静子と静一はその場に残ります。
残るというよりはそこから動けないといった様子。
静一が静子に近寄ると、何やら今までの不満のようなことをブツブツとひたすらに呟いています。
「ママ!」静一の呼びかけにハッとする静子は静一に抱きつくのでした。
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この作品のイラストは独特のタッチで描かれていて、初めて目にした時、ついついどんな内容なのか気になってしまいました。
静子の毒親っぷりや義姉のいやらさがしっかり描かれているので、文章だけよりイラストと一緒に読む方が断然おすすめ!
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血の轍 第1巻の感想
気になる箇所が多い作品でしたね!
まず、毎朝朝食の選択肢が肉まんかあんまんしかないとこ。
そして義姉のとしげるの存在もかなり厄介ですね…。
毎週土日に必ず遊びに来られたら迷惑以外のなにものでもありません。
しげるを溺愛する静子の過度なスキンシップとそれを拒まない静一。
なかなか面白い作品です。
楽しい思い出になるはずの旅行で起きてしまったしげるの事故。
なぜ静子は一度は助けたしげるを突き落としてしまったのでしょうか!
次回の展開が楽しみです!
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