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制服の王子様(オジサマ)抱き枕カバー
立原 志麻

「調子はどうや?」

「えっと、分量が……ああっ、立原さんが話しかけるから、間違えました!」

「それは君のせいやろ……」

今日は休日。

わたしは立原さんの家のキッチンで、リキュールやシェイカー相手に格闘していた。

ベッドで本を読んでいる立原さんは、わたしを見てため息をつく。

「カクテルの試作品が出来たから飲んでほしい……て言うから待ってるんやけど」

「だっ、だから今作ってるんですって!もうすぐですから!

……わっこぼした!?」

「やれやれ……」

立原さんはもう一度ため息をついて、寝転がった。

制服姿でのその仕草には、違和感がある。

本人いわく、『仕事をするときは仕事着の方が気が引き締まる』らしく、わざわざ着替えてくれたのだった。

せっかくの休日にそこまでしてもらってるんだし、頑張らないと……!

数分後、ようやく出来たカクテルを持ってベッドに近づくと、

仰向けのまま本を読んでいた立原さんは、嫌味な微笑みを浮かべた。

立原 志麻

「やっと出来たか。夜が明けるとこやった」

「すみません……お待たせしました」

「ほな、飲ませて」

寝そべったまま、そんな事を言う。

「へ?……な、何でですか。起きて下さいよ」

いつものからかいだろうと強気に返すと、立原さんはくすりと笑って、手を伸べる。

「の・ま・せ・て」

「………っ、もう……」

オジサンが甘えても効果はないですよ!

……と心の中で叫びつつもやっぱり抗えず、わたしはその手を取る。

上体を起こした立原さんの口元にグラスを運び、くい……と傾ける。

一口、こくり。

「ん」

唇から漏れた、ちいさな吐息に心臓が跳ねた。

何気ない仕草まで色っぽく感じてしまうのは、

この人の経験値なのか――恋人のひいき目か。

長いまつげが動き、伏せられていた目がぱちりと開いた。

「うん、悪ないな」

「本当ですか!?」

「ああ。……君の腕の中なら、余計に」

「ふざけないで、ちゃんと評価して下さいよ……」

わたしがたしなめると、立原さんはニヤリと――

何か悪だくみをするような顔で微笑んだ。

「仕事熱心なんはええけど……男と女がベッドの上でする話ちゃうな」

「えっ……」

くいっとカクテルを飲み干しグラスを放ると、立原さんはわたしをベッドに引きこんだ。

「きゃっ」

慌てて手をつき身体を支える。これは――まるでわたしが押し倒してるみたいな格好だ。

気づいて熱くなる頬をつうと撫で、立原さんは愉しげに笑う。

ぞくり……背中に震えが走る。

「っ…まさか、酔ってます…?」

立原さんがお酒に強い事は承知の上だけど、この状況は非常にまずい。

「俺を酔わせたんは――君やろ」

喉の奥で低く笑ってうそぶき、立原さんはゆっくりと――ベストのボタンを外していく。

「なっ……!?」

「フン……何で脱ぐ、って顔やな?」

「けど――……イチから説明せんと、あかんのか……?」

わからない訳がないだろう、と視線が告げる。

ゆっくりとした動作のひとつひとつが艶めかしい。……見ていられない……。

立原さんはシャツをたくし上げると、

「目ぇそらさんと、よう見とき」

と言ってその裾を噛んだ。

立原 志麻

「この俺のストリップなんて、そうそう見れるモンやないからな……?」

露わになった肌をゆっくりと手が這い上がる。

「っ……」

その仕草が、声が、目が、唇が――わたしを誘う。

「ああ、もちろん――これが終わったら、次は君の番な?」

抗えないとわかっていて、悪魔はそれはそれは愉しそうに笑うのだった。