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制服の王子様(オジサマ)抱き枕カバー
佐伯 誠人

「ええ、わかりました。…その資料でしたら机の上に」

帰宅して早々、佐伯さん宛にひっきりなしに電話がかかってきている。

スーツを着替える間もなく、鞄から書類を取り出して確認し、指示を出し……かなり慌ただしい。

老眼鏡は書類を見るためにかけられたもので、その姿を見ると仕事モードの佐伯さん、という感じがした。

「部長にも一度報告しておいてください。……それでは」

ようやく電話を切ると、佐伯さんはひとつ息を吐いた。

「大丈夫ですか?」

「ええ…何とか。小さなトラブルがあったのですが、社に残っている人間で対処ができそうです。 ……すみません、慌ただしくて」

「いえいえ!」

最近の佐伯さんは、大きなプロジェクトの納期を控え、休み返上で働いていた。

デートの約束が果たせないからと、埋め合わせとして今夜は自宅に招いてもらったのだ。

「こちらこそ、こんな時間に家に来ちゃって…すみません」

忙しいことはわかっていたはずなのに……浮かれた自分が恥ずかしい。

「気にしないで下さい。僕も、君に会いたかったですから」

「!」

わたしの考えを見透かしたのか、佐伯さんはそう言って微笑んだ。

「…でも、確かに少し疲れました」

小さく呟くと、スーツも眼鏡もそのままに、ぽすんとベッドに横たわる。

「佐伯さん?」

彼らしくない、子供のような仕草に少し戸惑ってしまう。

佐伯 誠人

「君も一緒に寝てみますか?」

「……」

悪戯っぽい微笑みに誘われて、わたしも横に寝転がる。

「いいんですか?スーツに皺が寄っちゃいますよ」

「たまには、いいかと思いまして。明日の事を考えずに行動するというのも」

「…ですね。いいと思います」

いつもきっちりしている、しすぎている佐伯さんには、特に必要な事だろう。

「ありがとうございます。

……とは言え、これでは首が窮屈ですね」

ネクタイをゆるめる仕草にドキリとする。

疲れのせいか、佐伯さんはいつもより物憂い様子で……何故かそこに色気を感じた。

不意に浮かんだのは、触れてみたいという衝動だった。

目の前のこの人に、さわりたい。

「あの…お手伝いしてもいいですか?それ」

ネクタイを指してそう問うと、佐伯さんは構いませんよと頷いた。

おそるおそる、襟元に手を伸ばす。

ネクタイは力を入れずとも簡単に解けた。しゅるりとワイシャツから抜き取って、ベッドに泳がせる。

「……眼鏡、外しますね」

「ええ」

「じゃあ、ジャケットも」

「……ええ……」

眼鏡を外し――次いでジャケットを脱がせる。

ワイシャツのボタンをひとつ、ふたつと外すと、鎖骨とほくろが露わになった。

綺麗だな、と思う。

じっと見つめたままもうふたつ外した所で、佐伯さんが身じろいだ。

少し赤い顔でわたしを見上げて、口を開く。

「あの……どうしたんですか?」

「なんだか楽しくなってきちゃって」

わたしは正直に告げて、またボタンに手をかける。

「もういいですよ、あの…」

制止の声を聴き流し、ワイシャツの前をくつろげる。

スラックスに手を伸ばす。と――

「!」

佐伯さんがぴくりと震えた。

その動きに応じて、ベッドに散らばった書類がカサリと音を立てる。

半裸になった佐伯さんと――脱ぎ散らかされたネクタイや眼鏡。

恋人を脱がせるなんて、我ながら大胆な事をしているなぁ、と今更思ったのだけど…。

佐伯 誠人

「だ、駄目です。これ以上は……いけません」

真っ赤な顔で駄目と言われると、やりたくなるのが人間の性分というもので。

「…ごめんなさい、佐伯さん」

言葉とは裏腹にわたしが微笑むと、佐伯さんはああと低く呻いた。

けれど抵抗はしないから、共犯という事にしておこう。