GOODS > OFFICIAL GOODS
制服の王子様(オジサマ)抱き枕カバー
松本 悠一

「……先生、そんな所で何してるんですか?」

「ん?休憩中~」

いつものように松本医院へ行くと、先生が白衣のままベッドに横になっていた。

「……診察室のベッドで休憩は、どうかと思いますけど……」

わたしが呆れて言うと、先生は悪びれずにあははと笑う。

「だって疲れちゃったんだもの」

松本 悠一

「お嬢ちゃん、添い寝してちょうだいよ。…ダメ?」

小首をかしげて甘えても、可愛らしさは皆無だ。

「ダメです。医務室お借りしますね」

「ちぇー」

先生は子供みたいに口をとがらせて、のっそりと身体を動かした。

気だるげなのはいつもの事だけど……今日はちょっと様子が違うような……。

「……先生?もしかして本当に調子が悪いんですか?」

「え?うーん……

まぁ、ちょっと体がだるいんだよねぇ。風邪……ではないと思うけど」

言葉を濁すあたりに真実味がある。

適当なことはべらべら話すくせに、先生はいつも大事なことを言わない。

「ちゃんと熱とか測りました?」

「ううん、まだ。……お嬢ちゃん、診てくれる?」

「わたしが?」

「ホラ、そこに聴診器あるでしょ。胸の音聴いてみてよ」

先生が指した机には、確かに聴診器が置いてある。

けど、素人のわたしが聴いた所で、何かがわかるとも思えない。

「まぁ、あんまり深く考えなくていいよ。お医者さんゴッコだと思ってさ」

お医者さんゴッコ……。

「……先生が言うと、何だかいかがわしいんですけど」

「あはは。ひどいコト言うねぇ」

ほら、と促されて、聴診器を取り耳にかけた。

チェストピースを手にした所で――先生の手がそこに絡む。

「!」

「ダメだよ」

「あっ…」

聴診器を奪うと、先生はポイとベッドに転がした。

「何するんですかっ」

「ホラ、ちゃんと脱がしてからじゃないと……診察できないでしょ?」

わたしを見上げ、にっこりと笑う。

怪しい……怪しすぎる。本当に具合が悪いんだろうか。

「わたしを騙そうとしてません?」

「んー?何の事?」

怪しいけれど……先生の目が熱を帯びたように潤んでいるのも確かだ。

とにかくさっさと言う通りにして、休んでもらった方がよさそうだ。

「じゃあ、失礼しますね」

遠慮なくがばと白衣をはだけると、先生はくねくねと身をよじった。

「もう少し優しくしてよー」

「はいはい」

「いやーん、お嬢ちゃんのエッチ!」

「大人しくして下さいっ、ほら両手上げて!」

邪魔な手を押しやり、先生のシャツをたくしあげる。

これで文句はないだろうと顔を上げる。と……

目の前にいるのは、半裸で両手を上げたまま……しどけなく横たわる先生だった。

「ふう……」

小さく息を吐く様を、何だか色っぽいと感じてしまって――動揺する。

「……ん?どうしたの?」

「な……何でもありません」

松本 悠一

「もしかして……お嬢ちゃん、ヤラシーこと考えてる?」

「そんな事っ――」

動揺を隠して聴診器に伸ばした手は、先生に捕まり――

「きゃっ…!?」

くるりと視界は反転し、わたしはベッドに縫いとめられてしまう。

「んふふ……いい眺めだねぇ」

肩をつつ…と撫でる指に、ぴくりと身体が反応した。

「せ、先生っ……具合が悪いって本当ですか?まさか――」

嘘つきましたね、と言いかけて口を噤む。

「んー…?まさか……なぁに?」

わたしを見下ろす愉しげな笑みが、きっとそのまま答えなんだろう。

「本当でも、嘘でも――どっちだっていいじゃない?」

先生はゆっくりとわたしに顔を近づけて、

たぶんする事は一緒だし……と、とんでもない言葉を放ったのだった。